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ご挨拶

実行委員長 玉井郁巳

 第39回生体膜と薬物の相互作用シンポジウムを2017年10月26日(木)と27日(金)の二日間、石川県金沢市内、金沢商工会議所会館にて開催させていただきます。2003年に(故)辻彰先生が第25回の本シンポジウムを開催されて以来、金沢での開催は2度目となります。歴史ある日本薬学会物理系薬学部会シンポジウムの実行委員長を務めさせていたくことを光栄に存じます。
 ご存知のように本シンポジウムは、生体膜・合成膜と薬物との関連に関心を有する研究者が物理化学的ならびに生物学的アプローチで得られた研究成果を討論するユニークな場であります。そこで本年は、特別講演として、物理系および生物系いずれからも関心のある細胞膜タンパク質を「視る」ことができる高速原子間力顕微鏡(AFM)研究で世界をリードする金沢大学バイオAFM先端研究センターの安藤敏夫先生に「タンパク質分子の機能動態を直接撮影する高速AFM」と題しご講演いただきます。また、二つのミニシンポジウムを企画しました。一つは「エクソソーム創薬研究最前線」と題して、疾患、診断、デリバリーなど多方面での応用が期待できるエクソソームの基礎から応用・評価方法に関して、実績ある第一線の研究者に御講演いただきます。もう一つは、治療満足度の低い中枢疾患に挑む「CNSを制御する生体膜機能の最前線―難治性疾患克服を目指してー」と題したミニシンポジウムとしました。トランスポーター、受容体、チャネル、酵素をターゲットとした治療・創薬を目指した研究成果を講演いただきます。一般発表としては、特に、学部生・大学院生にとってはまとまった研究成果を口頭発表する緊張感のある場となる一般シンポジウムならびにポスター発表も行い、優秀な発表に対しては表彰も行います。
 北陸新幹線によって東京駅-金沢駅間は2時間半となり、大阪・京都・名古屋からも同様なアクセスになりました。会場は、金沢城公園、武家屋敷跡、近江町市場、21世紀美術館、兼六園など観光名所のちょうど中心に位置する金沢商工会議所会館としました。学会前後の散策や金沢ならではの食も楽しみやすい場所です。
 基礎研究ならびに創薬への展開を目指す応用研究いずれにも満足いただけるものと思います。皆様のご発表ならびにご参加をお待ちしております。